実践事例

2026.02.24

情報・ICT

埼玉県立松山女子高等学校

VR技術を活用した体験的学習による「未来を体験する力」の育成

ICT活用

探究×ICT

体験型学習

発表・共有型

サムネイル

導入の背景・ねらい

デジタルツールを単に操作できることにとどまらず、複雑化・高度化する情報社会において、批判的に考え、主体的に探究し、価値を創造する力を育成する必要があると考えた。 教科書や映像資料だけでは把握しにくい VR技術の特性や可能性を、実体験を通して理解させることで、空間的思考力、メディアリテラシー、情報技術に対する適切な判断力の向上を図ることを目的として、本実践を導入した。

実践内容

株式会社アルファコードと連携し、1年1組40名を対象にVR体験講座を実施した。 生徒は3グループに分かれ、1人13~15分程度でVR体験を行った。体験内容は、グランドキャニオンの映像による旅行体験、JR電車の点検員視点での危険体験、水害現場での防災体験、認知症患者の視点での日常生活体験の4つである。 体験後は、感じたことや気づいたことをグループで共有し、VR技術の可能性とリスクについて考察した。

創意工夫ポイント

VR体験を単なる技術体験で終わらせないため、体験前・体験後の学習活動を重視した授業設計を行った。体験前には、VR技術の特徴や留意点を説明し、「何に注目して体験するか」を意識させることで、目的を持った体験となるよう工夫した。体験後には、感じたことや気づいた点をグループで共有し、VR技術の可能性と課題の両面について考察する活動を取り入れた。 また、VR酔いや既往症のある生徒には任意参加制度を導入し、体験時間を適切に管理することで安全性に配慮した。外部企業が機材やネットワーク環境を提供することで、学校の設備負担を抑えつつ、質の高い体験型学習を実現した。

成果・効果・生徒の反応

「教科書だけでは想像できなかった技術の可能性を実感できた」「将来の仕事や生活でどう使われるか考えるきっかけになった」という感想が多く聞かれた。 VR 体験を通して、デジタル技術に対する関心が高まり、情報技術分野や関連する職業・進路について主体的に考える生徒が見られるようになった。

今後の課題

体験的な学びを一過性のものにせず、振り返りや他教科との連携を通じた学習の深化が課題である。本校には生徒が自由に活用できる VRゴーグルが12台常設されており、この環境を活かして、日常的に先端技術に触れる機会を増やしていく必要がある。 今後は、単なる体験にとどまらず、生徒自身が「どのような活用ができるか」、「授業や学校生活にどう生かせるか」を主体的に提案できるような取組を進めたい。さらに、VR 映像の撮影や制作に挑戦するなど、利用者から創り手へと成長できる学習活動の実現を目指す。

実践風景

使用ツール情報

VRゴーグル15台(Meta Quest 3)/PC/液晶テレビモニター/VR体験コンテン ツ(旅行・危険・防災・認知症体験)

用途:現実環境では体験が困難な状況を、仮想空間で安全に体験するため ・空間UI/UXを体験的に理解し、情報デザインおよび倫理的配慮について考察するため ・体験内容を言語化・共有することで、デジタル技術に対する理解と表現力を高めるため

実践学校情報

埼玉県立松山女子高等学校

埼玉県東松山市和泉町2番22号

西部エリア

普通科

地域・企業・大学連携

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